愛犬が肥満気味になったときに、病院で「魚系のドッグフードがいいですよ」と勧められたことありませんか?
しかし、このような疑問があるかと思います。
「なぜ肥満には魚系ドッグフードがいいのか?」
「他にどのようなメリットがあるの?」
「実はデメリットもあるのでは?」
ここではそんな疑問を解決していきながら、お魚系ドッグフードの魅力と愛犬に与えるときの注意点をご紹介します。
この記事の目次だワン
お魚系ドッグフードのメリット
魚は人間の体にも良い食材として知られていますが、それは犬にとっても同じで、魚に含まれている成分が健康状態をよくします。
- 高タンパク質だが低カロリーで太りにくい
- アレルギー反応が出にくい
- 血液疾患や認知症の予防になる
- 毛艶や皮膚状態が良くなる
高タンパク質だが低カロリーで太りにくい
魚にもいろいろ種類がありますが、基本的には高タンパク質でありながら、脂質が少ないためカロリーが低いという特徴があります。
ドッグフードの原材料として使われている食材の成分を比較してみましょう。
魚の種類 | イワシ | サーモン | 牛肉 | 鶏肉 |
---|---|---|---|---|
タンパク質 | 21.3g | 20.1g | 14.4g | 16.2g |
カロリー | 136kcal | 138kcal | 371kcal | 200kcal |
脂質 | 4.8g | 4.5g | 32.9g | 14g |
ヘルシーなお肉の代表である鶏肉と比べても、カロリー値に大きな差はなく、それでいてタンパク質が高くて脂質が低いことが分かります。
これだけカロリーが低ければ、お腹いっぱい食べてもどんどん太ってしまうということはないので、体重が気になっているワンちゃんに最適です。
アレルギー反応が出にくい
アレルギーの原因はいくつもありますが、そのうちのひとつが「同じ食べ物を与えすぎた」ことによって起こるものです。
特に、ドッグフードによく使われている牛肉や小麦、トウモロコシはアレルギーを引き起こしやすい原材料だと言われています。
その一方で、魚はドッグフードの原材料として主流ではないため、アレルギー反応が出にくいという特徴があります。
もちろん魚系ドッグフードも与え続けるとアレルゲンになる可能性もありますが、一般的にはアレルギー反応が出にくいというメリットがあります。
血液疾患や骨粗鬆症、認知症の予防になる
魚には愛犬の健康維持に役立つ栄養素が多く含まれています。
- タウリン・・・血流改善。心臓・血液疾患の予防。
- カルシウム・・・骨粗鬆症の予防。
- DHA、EPA・・・脳疾患、認知症、視力低下の予防。
いずれも不足してしまうと、深刻な病気を引き起こす可能性のある栄養成分です。
魚系ドッグフードに切り替えれば、これらの栄養成分が不足することはなく、老犬になっても元気に散歩できる強い体を作るのに役立ちます。
毛艶や皮膚状態が良くなる
愛犬の毛艶改善・皮膚トラブルにも魚系ドッグフードが適しており、その理由として挙げられるのがオメガ3脂肪酸の存在です。
オメガ3脂肪酸は体内では合成されないものですので、食べ物で補わなければなりません。
魚にはDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が多く含まれており、EPAは炎症を抑える効果があるため、皮膚炎などのトラブル解消が期待できます。
さらに、オメガ3脂肪酸は毛のツヤを出すのにもとても効果的です。
(ちなみに、これは犬だけでなくもちろん人間にとっても同じです。)
最近は、多くの飼い主さんが愛犬の皮膚トラブルに悩まされていますが、お魚系ドッグフードに切り替えたことで症状に改善が見らたという人が多くいますので、是非試してみて下さい。
魚系ドッグフードのデメリット
魚系ドッグフードには色々なメリットがあることが分かりますが、実は魚系が主流にならないのにはデメリットがあるからです。
- 腹持ちが悪い
- 食いつきが悪くなる場合がある
- 手作りなら寄生虫や骨に注意しなければならない
腹持ちが悪い
お魚系ドッグフードに切り替えると、次の食事まで待てず「ご飯ちょうだい!」と求められることがあります。
魚系ドッグフードは脂質が少ないと消化しやすいため、お腹に残らず空腹感を覚えてしまうからなのです。
特に、脂の少ない白身魚をベースに作られたドッグフードを与えたときによくおねだりされてしまいます。
そのため、同じお魚系ドッグフードでも、脂質が多く含まれているサーモンベースのドッグフードであれば、腹持ちを心配する必要はありません。
食いつきが悪くなる
魚系ドッグフードに切り替えて飼い主さんが最も困るのは、食いつきが悪くなること。
しかし、そもそも魚系ドッグフードに限らず、どのフードでも切り替えたばかりの時期は食いつきが悪くなるものです。
そのため、それほど気にする必要はないのですが、いつまで経っても喜んで食べてくれないというケースもあります。
これは犬自身の好みの問題でもありますので、いつも食べているフードと混ぜたり、時々種類を変えてあげたりと、臨機応変に対応してください。
何をしても食べないようであれば、お魚系ドッグフードの使用を諦めましょう。
無理させてまでお魚系ドッグフードを与えなくてはいけない理由はありません。
手作りなら寄生虫や骨に注意しなければならない
市販品のドッグフードなら寄生虫や骨を気にする必要はありませんが、魚ベースでフードを手作りする場合は、寄生虫や骨に十分に気をつける必要があります。
しっかり焼いて、生で与えないようにすれば心配はいりませんが、これとは別に食中毒のリスクもありますので、与える魚は新鮮なものを選ぶようにしてください。
また、犬は骨も気にせずに飲み込みこむので、口の中やノドを骨で傷つけてしまうことがあります。
魚ベースの手作りドッグフードを与えるときには、きちんと骨を取り除くか、ミキサーなどで砕いてから与えるようにしましょう。
魚ベースのドッグフードおすすめランキング
お肉では摂取できない大切な栄養素が魚系ドッグフードで補えることがわかりました。
でも、お魚ベースのドッグフードも多種多様で、どれにしたら良いか迷ってしまいます。
そこで、素材にこだわりぬいた魚系ドッグフードをオススメしましょう。
エッセンシャルドッグフード
アレルギーになりやすい食材を使用せず、サーモン・トラウト・ニシンを原材料とするドッグフードです。
また、スーパーフードとして有名なアサイー入りで、鉄分・アミノ酸・食物繊維なども摂取できます。
3分チェック
アカナパシフィックピルチャード
カナダ産の天然イワシをふんだんに使っているだけでなく、新鮮な野菜もふくまれているため、食物繊維やビタミン・ミネラルなどもとれる栄養満点のドッグフードです。
オリジン 6フィッシュドッグ
ヒューマングレードの新鮮な魚でできたドッグフードから、犬が本来必要とするタンパク質を効率よく摂取できます。
特に、アレルギー体質の愛犬にはおすすめです。
ZEN(ゼン)プレミアムドッグ グレインフリーフィッシュ
日本国産の白身魚をベースにしたドッグフードです。
さらに、今話題のえごまやココナッツオイルなども使われており、毛艶や涙やけも良くなると言われています。
お魚系とお肉系はどちらがおすすめ?
魚系ドッグフードのメリットとデメリットが分かったところで、結局はお魚系とお肉系はどちらが優れていると思いますか?
ここでは、お魚系とお肉系の違いどちらがおすすめなのかについてご紹介します。
犬によっておすすめのドッグフードは違う
結論から言うと、お魚系が向いている犬もいれば、お肉系が向いている犬もいて、どちらが適しているかは犬によって違います。
例えば、大型犬の場合にはかなりのカロリーが必要になるので、お魚系ドッグフードを与えるとなれば、牛肉ベースドッグフードの何倍もの量を与えなくてはいけなくなります。
そうなるとドッグフード代が家計を圧迫してしまうことになりかねません。
お肉系ドッグフードを与え続けていても皮膚トラブルもなく、アレルギー反応もないようでしたら、選択肢が多く価格も安いお肉系ドッグフードのほうがおすすめです。
その一方で、体調トラブルの原因がドッグフードにあると考えられる場合には、お魚系への切り替えをする必要がありそうです。
とはいえ、いくらお魚系ドッグフードのほうが健康的だとしても、食べてくれなければ意味がありません。
愛犬が魚系ドッグフードを食べない場合は、お肉系で体に合うフードを探す必要があります。
ケースバイケースでどちらのドッグフードが適しているのかは違うということを頭に入れておいてください。
お魚系ドッグフードも食べ過ぎるとアレルギー発症の可能性がある
魚系ドッグフードはアレルギー対策に適していると言われていますが、ペットのアレルギーを経験したことのある飼い主さんは「本当に大丈夫?」と不安になるのではないでしょうか。
残念ながら、魚でもアレルギーになることがあります。
肉も魚もタンパク質であることには変わりありませんので、魚のドッグフードを与え続けると、その魚に対してアレルギー反応を示すことがあるからです。
ただし、アレルギーになる確率が低いという点では優れたドッグフードではあります。
牛肉や小麦、トウモロコシなどをずっと与えられてきた犬は、それらをアレルゲンとしてしまう可能性が高いため、お魚系ドッグフードはとても効果的です。
アレルギーが不安だという場合には、お魚系ドッグフードでも魚の種類が違うドッグフードをローテーションして与えるようにしましょう。
また、お魚系ドッグフードでも、トウモロコシや小麦を使っているとアレルギーの症状が出ることがありますので、きちんと原材料をチェックして選びましょう。
お魚系ドッグフード選びで見るべきポイント
最後にお魚系ドッグフードを選ぶときの4つの注意点をご紹介します。
大切な愛犬へ食べさせるお魚系ドッグフードを買う際に、チェックして下さい。
選ぶポイント
- 何の魚なのか表記されていること
- ヒューマングレードの原材料を使っていること
- できるだけグレインフリーであることが理想
- 人工添加物が含まれていないこと
以上4つの条件をクリアした魚系ドッグフードが「エッセンシャルドッグフード」。
お魚系ドッグフードで迷ったら、エッセンシャルドッグフードを選べば安心だと言えるドッグフードです。
何の魚なのか表記されていること
まず重要なのが、原材料が魚であれば、なんでも良いわけではないということです。
「サーモン」「タラ」のように、魚の種類が記載されているドッグフードを選びましょう。
「魚介類」や「フィッシュミール」に引っかかるな!
単純に考えると魚を使っているなら良いのではないかと思いがちですが、ここに落とし穴があります。
魚介類・・・人間が食べるための切り身を取った残りの骨と皮、内臓だけでも「魚介類」に該当します。骨や皮、内臓だけだと、上質なタンパク質が摂れません。
フィッシュミール・・・何の魚なのか分かりません。万が一アレルギーを引き起こした場合に原因の特定ができません。
原材料に「魚介類」や「フィッシュミール」とパッケージに記載されていて、メーカーのホームページやパッケージで使っている魚の種類を紹介しているドッグフードがおすすめです。
ヒューマングレードの原材料を使っていること
残念なことに、人間が口にできない原材料で作られたドッグフードはあたかも安全であるかのように流通しているのが現実です。そのようなドッグフードでは、愛犬の健康を守ることはできません。
形はドッグフードの状態になっていますので、実際に人間が食べられるかどうかは別として、少なくとも原材料の鮮度と安全性にこだわっているドッグフードを選びましょう。
ヒューマングレードのドッグフード選びのコツを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考に読んでみて下さい。
ヒューマングレードドッグフードの定義!日本と海外は違うって知ってた?できるだけグレインフリーであることが理想
愛犬の健康を考えたときの理想は、内臓に負担をかけず、アレルギーにもなりにくいグレインフリーの商品です。
しかし、ドッグフードの主原料を魚にすると、カロリーが不足しやすく、原価も高くなってしまうため、多くのドッグフードでは、小麦・大豆・お米といった穀物を合わせてドッグフードの原材料に使っています。
適量であれば問題ありませんが、穀物は犬にとって消化するのが苦手な食材ですので、内臓に負担がかかってしまいます。
絶対に避けてほしいのは、主原料が穀物のドッグフード。
アレルギーになってしまうリスクもありますし、タンパク質も多くが植物性ですので、犬には好ましくありません。
値段が高いというデメリットもありますが、健康な状態を維持したいならグレインフリーもしくはそれに近いドッグフードを選んでください。
人工添加物が含まれていないこと
ドッグフードの人工添加物には、人間の食べ物には使用禁止のものが含まれていることがあります。
もちろん国が定めた許容範囲内での使用になっていますが、安全性を考えたときに、わざわざ発がん性のある添加物を口にさせる必要は全くありません。
原材料をチェックして、天然素材でない酸化防止剤や着色料などを使っている場合には、そのドッグフードは避けておきましょう。
危険な添加物一覧を見たい方は、こちらの記事をお読みください。
魚ベースのドッグフードはデメリットも理解して活用しよう
お魚系ドッグフードはアレルギーになりにくく、皮膚トラブルの解消が期待できるなど、健康面を考えたときには、とても優れたドッグフードです。
ただし、犬によっては食欲が落ちてしまうというデメリットや、腹持ちが悪いので、すぐに「お腹空いた」となることも考えられます。
大事なのは、そのようなデメリットをしっかり把握しておくことです。
いくら獣医さんにお勧めされたからといって、愛犬に合わないドッグフードを与え続けるのは好ましくありません。
あまり好んで食べてくれない場合には、別のお魚系ドッグフードに切り替えるなどして、喜んでくれるドッグフードを見つけてあげましょう。
また、お魚系ドッグフードは健康的な商品ですが、使っている魚の種類が分からないものや、穀物が多く使われているもの、人工添加物を使用しているものは選ばないでください。
いくら魚が優れていても、それらによって健康面では大きくマイナスになってしまいます。
単純に魚ベースのドッグフードを与えればいいというわけではなく、きちんと優れたドッグフードを選定する必要があります。
お魚系ドッグフードを選ぶときには、じっくり時間をかけて安心安全の商品を購入しましょう。