ドッグフードの価格は、同じメーカーの同じ種類でも一袋に入っているキロ数が多いほど割安になっている場合がほとんどです。
ということは、小型犬から大型犬まで、どんな犬の飼い主さんも一番大きなサイズで購入すればお得な気がしますよね。
しかし、割安だからと言って量の多いドッグフードを買うのはおすすめできません。
なぜなら、適切に保管しないとあっという間に品質劣化を起こし、愛犬に害を与えてしまうからです。
ドッグフードは、愛犬の体格や頭数に見合った量を購入することが重要でしょう。
この記事では、ドッグフードの正しい保存方法に加え、酸化したドッグフードが愛犬に与える影響についてご紹介します。
この記事の目次だワン
ドライタイプのドッグフードの保存方法
ドッグフードは、袋を開封したその瞬間から酸化が急激に進み、品質が悪くなっていきます。
では、どうすれば酸化のスピードを遅らせることができるのか、その方法について詳しく見ていきましょう。
開封後は冷暗所で密閉保存することが基本
保存のポイント
- 密閉しやすい容器に小分けにして入れてから、出来るだけ空気を抜く。
- 日の当たらない場所での常温保存でOK。冷蔵庫での保存はダメ。
- 開封後は1ヶ月以内に食べきるのが目安。
たとえドッグフードが未開封の状態でも、高温多湿になる場所に保管すると品質劣化の原因になります。
開封・未開封にかかわらず、ドッグフードは直射日光のあたらない、涼しくて風通しの良い場所で保管してください。
また、メーカーによって異なりますが、未開封の状態で賞味期限は14〜20ヶ月が一般的です。
賞味期限が切れてしまったドッグフードに関する記事もありますので、参考に読んでみて下さい。
ドッグフードは賞味期限切れてても与えて大丈夫?飼い主が知っておくべき知識ドライフードを冷蔵庫で保存したら駄目な理由
ドライフードを冷蔵庫で保存するのは正しいと思われがちですが、実は間違いです。
なぜなら、冷蔵庫内と外では温度差があるので、ドッグフードを出し入れする際に結露がついてしまい、カビの発生に繋がるからです。
ドッグフードは水分が10%前後に保たれているため、簡単に結露を吸収してしまいます。
ドライフードは、冷蔵庫に保存せずに、日の当たらない涼しい場所で保存しましょう。
また、飼い犬が食べ残したドッグフードを袋に戻すのもやめましょう。
残したドッグフードには犬の唾液などから微生物がついているので、袋内で雑菌などが繁殖し、とても安全とはいえない状態になります。
食べ残ししてしまった場合は、なるべく捨てるようにし、大量に残してしまった場合は個別に保存しましょう。
缶詰フードやレトルトフードの保存方法
缶詰やレトルト・アルミトレーなどの水分量が多いフードは、ドライフードとは扱いが異なります。
これらのウェットフードは加熱殺菌されているため、保存料が添加されていないものでも、未開封であればかなりの長期間保存することが可能です。
しかし、ウェットフードは開封した後に日持ちしません。
保存する場合は必ず冷蔵庫に入れ、できるだけ2~3日のうちには使い切るようにして下さい。
わたしたちの食べる缶詰やレトルトフードと同じ感覚で使用してください。
もし、どうしても食べきるまでに日数がかかる場合は、途中で一度加熱しておくと、保存できる日数を多少は延ばすことができます。
しかし、度重なる加熱は風味を損ねるだけでなく、熱に弱いビタミンなどの大切な栄養素を壊してしまうため、あまり良いことではありません。
おすすめのドッグフード保存容器
ドライフードの袋をそのまま保存用に使っている飼い主さんも多いかもしれませんが、ドッグフードの袋は簡易的な保存機能しかありません。
完全に密封できるわけではありませんので、専用の保存容器を使った方が品質維持できて安全です。
ここではドッグフードの酸化を防ぐために最適な2種類の保存容器についてご紹介します。
乾燥食品用密封保存容器「ポップコンテナ」
片手で簡単に開閉・密封ができる乾燥食品用密封保存容器「ポップコンテナ」というものがあります。
1日数回使用するものですので、真空状態になるようにはできておりませんが、負圧にはなりますので保存容器としては適しています。
サイズ的にスリムなものがほしいというのであればポップディスペンサーが良いでしょう。我が家でもこちらを使用しています。
アイリスオーヤマの密閉容器
パッキンとバックルでしっかり密閉し、酸化防止のために除湿剤が一個ついているというアイリスオーヤマの密閉容器は愛犬家から人気のある商品です。
密封度に関しては上記の「ポップコンテナ」のほうが上ですが、こちらは除湿剤が付いていますので酸化をさらに遅らせることができます。
ただ、そもそもドッグフードを1ヶ月以内で使い切るのであれば、除湿剤までは必要ありません。
除湿剤も消耗品ですので、定期的に交換が必要で手間がかかります。
もちろんそれだけの効果はありますので、その手間がわずらわしくないのであれば、こちらがオススメです。
小型犬1匹に大袋のドッグフードを購入するのは得しない
たとえば、体重5キロの小型犬を1匹飼っていたとします。
その犬が1日に食べるドッグフードの総量が100グラムだと仮定すると、1ヶ月に消費するフードはおよそ3キロです。
この場合、3キロ袋を購入するより、10キロ入りの大袋を購入すれば、割安になってお得なのでしょうか?
答えは、「お得ではない」です。
確かに、単純に価格を1キロあたりで計算するだけなら、3キロ袋を購入するより10キロ袋の方が割安になることは間違いありません。
しかし、ドッグフードは開封したその瞬間から酸化が早まります。
これはドッグフードが脂肪や油脂を含む食品である以上、避けて通れません。
そのため、酸化による品質劣化を避けるためには、開封後1ヶ月、長くても2ヶ月以内に消費できるドッグフードの分量で購入しましょう。
体重5キロの犬1匹が10キロ袋を消費するには3ヶ月以上がかかりますから、ドッグフードの酸化による健康への悪影響が懸念されます。
一食あたりの食事量か回数については以下の記事で解説しています。
酸化したドッグフードを愛犬に与え続けると健康被害を及ぼす可能性がある
ドッグフードには原材料の肉類に含まれる脂肪分のほか、様々な油脂が含まれています。
これらは大切な栄養素の一つであり、健康維持のために重要な役割を果たしますが、油脂は空気に触れると過酸化脂質になります。
過酸化脂質は、犬の体内で活性酸素を増加させ、体に悪影響を及ぼします。
愛犬に起こりうる病気
人間でも、カップラーメンやポテトチップスなどを食べ過ぎると、体に悪いということは皆さんご存じのことでしょう。
そのようなインスタント食品や油を使った料理には、過酸化脂質が多く含まれているので、体に悪いと言われているのです。
犬も私たち人間と同じで、過酸化脂質によって体が酸化します。
・老化が早まる。
・アレルギーになる。
・動脈硬化になる恐れがある。
・心筋梗塞になる恐れがある。
・がんになる恐れがある。
「安いから・・・。」
それだけの理由で愛犬の食べる量に見合わない大袋のドッグフードを購入した結果、病気にかかるリスクを上げてしまう。
それでは元も子もないですよね。
そこで病気にでもなって医療費が発生したら、割安どころか出費は大きくなるばかりです。
酸化した油=過酸化脂質は毒だということを頭に入れておいてください。
酸化防止剤を使って酸化を遅らせることの危険性
過酸化脂質を減らす(酸化を遅らせる)ために、酸化防止剤や防カビ剤などの人工保存料を使用しているドッグフードもあります。
ところが、人工保存料は発がんや、肝臓・腎臓などの機能障害、アレルギーの原因となる危険性が指摘されているのです。
これでは、長期保存できてもデメリットの方が大きすぎます。
人工保存料は病気になる可能性が高いからこそ、安全性を重視した高品質のドッグフードに酸化防止剤が使われることはありません。
酸化防止剤としてカテキンやビタミンCなどの天然由来の成分を使用しています。
ただし、人工保存料と比べると酸化防止の効果が薄く、開封後には出来るだけ早く消費しなくてはいけません。
安全性を考えた方が長い目で見てお金はかかりません
ドッグフードは、ドライもウェットも愛犬の体格に見合った分量を選び、適切に保存することが大切です。
安さを重視し、多量なドッグフードを買い与えるということは、粗悪になっていくドッグフードを与えることになり、愛犬の体調悪化につながります。
人間もイヌも同じで、悪いものを食べると病気になり、治療費がかさみます。
お金がかかってしまうだけでなく、一番辛いのは大事な家族である愛犬が苦しむ姿を見ることではないでしょうか。
割高だなと思っても、安全性を重視して適量での購入を心がけましょう。