鹿のような細い足と美しい被毛が特徴のイタリアングレーハウンド。
短く「イタグレ」と呼ばれることもあります。
飼いやすいということが広まって、日本でも見かけることが増えてきました。
ただし、飼いやすいのは性格面での話であって、寒さに弱いなど、健康面では飼い主さんが気を使う必要があります。
その中でも意識したいのは、健康を維持するための食事です。
イタリアングレーハウンドはいくつかのかかりやすい病気があり、その病気を発症させないようにするには、最適なドッグフードを選んであげなくてはいけません。
ここではそんなイタリアングレーハウンドの食事で意識すべきことと、最適なドッグフードの選び方についてご紹介します。
この記事の目次だワン
イタリアングレーハウンドの特徴
イタリアングレーハウンドに合うおすすめのドッグフードを紹介する前に、イタグレの特徴について紹介します。
手足が鹿のように細く、軽やかに飛び、俊敏な走りを見せるイタリアングレーハウンド。
祖犬はグレーハウンドとされており、古代エジプト時代の壁画にも描かれることから、昔から人と暮らしてきた犬種であることがわかります。
原産国はイタリアで、グレーハウンドを愛玩犬として小型化された犬です。
かかりやすい病気
イタリアングレーハウンドがかりやすい主な病気は以下のとおりです。
- てんかん
- 膝蓋骨脱臼
- 骨折
- 脱毛症
これらは先天性の疾患もあるため、これらすべてを食事で予防することはできませんが、健康的なドッグフードを選ぶことで予防できます。
肥満になりやすい
病気ではありませんが、肥満になりやすいという特徴もあります。
先程もお伝えしたとおり、太ってしまうと骨が折れやすくなってしまうので注意が必要です。
寒さに弱い
イタグレは、短毛のため気候変化に敏感で、とくに寒さに弱く衣類を着用させることが健康管理として必要になります。
外が寒いときには散歩などは無理にさせず、室内で思う存分遊ばせてあげるようにします。
また、頭が小さく胸幅も狭いため、ハーネスは8の字胴輪を使用するようにしましょう。
イタリアングレーハウンドのドッグフードの選び方
ドッグフードは総合栄養食だからどれを選んでも同じだと思っている人もいるようですが、実はそれぞれに原材料や成分に特徴があります。
肥満も含めてかかりやすい病気を発症させないように、普段の食事で心がけておきたいのは次の3点です。
以上を踏まえてイタリアングレーハウンドの健康を守るには、最適なドッグフードを探し出してあげなくてはいけません。
ドッグフード選びのポイント
- 動物性タンパク質を多く含んでいる
- 穀物不使用のグレインフリーである
- EPAやオメガ3脂肪酸を配合している
- 人工添加物を使っていない
それぞれどのような点に気をつけて選べばいいのか、詳しく見ていきましょう。
動物性タンパク質を多く含んでいる
イタリアングレーハウンドは骨が細く関節も弱い犬ですので、筋肉でしっかりと骨や関節を守ってあげる必要があります。
そのためにはタンパク質を十分に与えなくてはいけないと説明しましたが、ただタンパク質を与えればいいというわけではありません。
犬が消化吸収しやすい動物性タンパク質を選びましょう。
肉や魚がベースとなったドッグフードで、なおかつどのような肉を使ったものなのかが明確になっているものを食べさせてください。
動物性タンパク質でもミートミールや肉副産物と記載のあるものはNGです。
ミートミールや肉副産物は、人間の食べない廃棄する部分を使っていることがあります。
死んだ動物や病気の動物のお肉を使うことがありますので、ヒューマングレードで人間が食べることのできるくらい品質の高いお肉や魚を選びましょう。
穀物不使用のグレインフリーである
飼い主さんの中にも糖質制限ダイエットをしている人もいるかと思いますが、犬も人間と同じく糖質である炭水化物をそれほど必要としていません。
しかも炭水化物が多く含まれる穀物は犬の内臓では上手に消化吸収できませんので、老廃物となって体に溜まる可能性があります。
ところが、穀物はコストが安いためほとんどのドッグフードに使われています。
反対に穀物を使わない場合はかなり割高になりますが、炭水化物の摂取を防ぐことができますので、肥満になりにくいというメリットがあります。
グレインフリーのドッグフードは、それだけで選択肢が限られてしまいますが、本来犬が食べるべきものでない穀物を与えることに意味はありません。
アレルギーから皮膚トラブルを引き起こす可能性もありますので、穀物は原則として与えないようにしましょう。
EPAやオメガ3脂肪酸を配合している
血をサラサラにする効果があると言われているEPAやオメガ3脂肪酸。
皮膚トラブルを改善したいのであれば、この2つの栄養成分が含まれているドッグフードを選びましょう。
サーモンなどの魚を原材料に使っているドッグフードがそれに該当します。
ただし、魚ベースのドッグフードは偏食になりがちなイタリアングレーハウンドは食べてくれない可能性があります。
血流を改善したい場合でも、食べてくれなければ意味がありません。
食いつきが悪い場合は缶詰のお肉や、原材料に魚だけでなく肉も使ったドッグフードを選びましょう。
人工添加物を使っていない
市販されているドッグフードのほとんどに人工添加物が含まれています。
これは食いつきを良くしたり、賞味期限を延ばしたりすりことを目的としていますが、犬はこの人工添加物をうまく消化吸収することができません。
このため内臓に負担をかけてしまい、老廃物として体内に溜まってしまいます。
その老廃物は皮膚から体外に排出されるために血液を使って運搬されるのですが、血管の細い部分を詰まらせることがあります。
そうなると詰まった先の細胞には栄養を届けられなくなるため、皮膚病や脱毛などを引き起こします。
さらに人工添加物が毒性のあるものもあり、人間には使用できないものもドッグフードには使われています。
そういう面でも犬に与えるメリットはまったくありません。ドッグフードを選ぶときには人工添加物が入っていないものを探しましょう。
子犬やシニアの場合
ここで子犬と老犬に対して、どのようなドッグフードを選べばいいのでしょうか?
子犬
子犬のイタリアングレーハウンドに与えるドッグフードで重視したいのがタンパク質とカロリーです。
もちろん成犬でもタンパク質は重要ですが、子犬は日々体が大きくなっていきますので、それだけ体を作るための栄養成分が必要になります。
子犬のドッグフードにはタンパク質が30%以上含まれているものがおすすめです。
なおかつカロリーもしっかり摂らせて運動をさせないと強い体を作れませんので、高タンパク質高カロリーのドッグフードを与えましょう。
この他にもカルシウムなどのミネラルも体づくりにはとても重要です。
不要な栄養成分はひとつとしてありませんので、栄養価の高いドッグフードを選んであげてください。
また、子犬のうちは内臓がまだ未発達ですので、食事の回数を増やすなどして内臓に負担をかけないように注意しましょう。
老犬(シニア犬)
イタリアングレーハウンドも他の犬と同じように、高齢になると運動量が落ちてしまいます。
このため、同じドッグフードの量を変えずに食べていると確実に肥満になります。
その結果、関節や骨の負担が大きくなり、余計に運動をしなくなってしまいます。
筋力は落としたくありませんので、タンパク質の量は変えずに、カロリーだけを減らすようにしてください。
低カロリー高タンパク質が老犬に与えるドッグフードの基本です。
内臓に負担を掛けないために、もちろんグレインフリーで人工添加物不使用のものを選んでください。
加齢により関節炎などになることもありますので、その場合にはグルコサミンやコンドロイチンのような関節ケアを意識した栄養成分が配合されたドッグフードもおすすめです。
イタリアングレーハウンドにおすすめのドッグフード3選
ここまでの内容で、イタリアングレーハウンドにどのようなドッグフードを与えるべきなのか理解できたかと思います。
ただ、上記の条件を満たしたドッグフードを探すのは思った以上に大変です。
スーパーなどではひとつも該当するものが見つからないかもしれません。
ここでは、自分で最適なドッグフードを見つけられない飼い主さんのために、イタリアングレーハウンドにおすすめのドッグフードを3種類ご紹介します。
カナガンドッグフード
カナガンドッグフードの特徴
- 高タンパク・低炭水化物(粗タンパク質33%)
- ヒューマングレードのナチュラル原材料を使用
- グレインフリー
- 人工添加物不使用
- 約361.25kcal(100gあたり)
カナガンドッグフードは、新鮮な鶏肉の動物性タンパク質が50%以上使われておりドライフードの中でも高タンパク質なドッグフードとなっています。
魚類は原材料に使用されていませんが、サーモンオイルを使用していますので、EPAもオメガ3脂肪酸も含まれてはいます。
グレインフリーで、人工添加物不使用で、タンパク質も豊富なのでタリアン・グレーハウンドに最適なドッグフードの条件を満たしています。
ただ、カナガンドッグフードの魅力は栄養価の高さだけではありません。
とにかく食いつきがよく、初めての犬でもすぐに完食してくれます。
食の好みがはっきりしているイタリアングレーハウンドでもドッグフードの切り替えがスムーズに行なえるのが、飼い主さんにおすすめしたい理由のひとつです。
また、粒も小粒なので子犬やシニアなどの噛む力が弱い愛犬でも安心です。
ブッチ
ブッチの特徴
- 高タンパク低脂肪(粗タンパク10.5%)
- 動物性タンパク質含有率92%
- グレインフリー
- オメガ3脂肪酸配合
- 約116kcal(100gあたり)
環境規制に厳しいニュージランドでのびのびと育てられた原材料のみを使用しているので安全性が高く、人工添加物も一切使用していません。
また、グルテンフリーで水分含有度約70%と生肉に近いため、消化吸収がしやすく胃に負担がかかりません。
さらに魚油(フィッシュオイル)ベースのオメガ3をたっぷり配合されているのでEPA、DHAの含有量も豊富です。
高タンパク低脂肪のブッチはイタリアングレーハウンドに最適なドッグフードと言えます。
ブッチドッグフードをもっと詳しく知りたいという人は、こちらの記事を参考にしてみてください
ブッチドッグフードの評価と口コミ!レビューと原材料を徹底解析した結果は?DOX
3kg4,000円で100g133円とプレミアムドッグフードとしては買い求めやすい価格で、イタリアングレイハウンド以外の全犬種にも対応しています。
DOXの特徴
- 低脂肪・弱低カロリー(粗タンパク質22%)
- ヒューマングレード
- 人合成保存料・着色料など一切不使用
- 約371kcal(100gあたり)
※アクティヴ・24(成犬用)の成分を参照
良質な鶏肉粉を主原料とした、イタリアングレイハウンドのための栄養バランスを考えられた低脂肪・弱低カロリーのドッグフードです。
玄米やコーン粉、乾燥ビートパルプの使用が気になりますが、人間用としての食品基準を満たしたヒューマングレードの食材のみを使用し、AAFCO(米国飼料検査官協会)が定める栄養基準も満たしています。
種類は子犬用からダイエットを目的にしたものから愛犬にあったものが選べます。
イタグレはお肉メインの高タンパク質ドッグフードを与えよう
イタリアングレーハウンドは、短毛で比較的手入れのしやすい犬種ですが、脱毛症などのかかりやすので、皮膚や毛艶に気を使った食事が必要です。
そのためには血流を良くするEPAやオメガ3脂肪酸の入ったドッグフードを選んであげましょう。
また、イタグレは肥満体質で骨折のしやすい犬種なので、筋肉や骨の形成を助けてくれる動物性タンパク質を多く含むフードを与え、体重を増やしすぎないために炭水化物類が入ったフードは避けるようにしてください。
そして、食費は少し上がってしまいますが、人が食べられるレベルの原材料を使用したドッグフードを与え続けることが、さまざまな病気の予防につながります。